乳がんの検査・診断

検査は受診当日に行います

乳がんの検査は受診当日に行います気になる症状を見つけたら、ひとりで悩んだりせず、専門医を受診しましょう。
マンモグラフィ、超音波エコー、細胞診、組織診は受診当日に行います。また、CT、MRIなどの画像診断が迅速に実施可能で総合診断が早くできます。

ただし、細胞診・組織診を行った場合の結果は後日のご報告になります。

乳がん検診
医誠会病院健診センター では乳がん検診と子宮がん検診を同時に受診できます。

視触診

視触診指で触ってみることにより、乳房にしこり(腫瘤)がないか、乳頭に変形や異常分泌液がないか、皮膚に凹凸がないかなど、視診ではわからないさまざまな乳房の状態を調べることができます。

マンモグラフィ

マンモグラフィX線を用いて乳房を撮影する検査で、乳房を圧迫して上下や左右方向から撮影します。 検査は10分程度ですが、乳房を圧迫している時間は数秒から10秒くらいで、圧迫する時に、多少の痛みをともないます。マンモグラフィによる被ばく量は非常に少なく、体に全く影響を与えません。

※当院ではマンモグラフィ検診制度管理中央委員会の認定を受けている女性検査技師がマンモグラフィの撮影を行っています。
読影は日本乳がん検診制度管理中央委員会の認定を受けている医師が行っています。

マンモグラフィマンモグラフィ検診の流れ

乳腺・乳房専用のレントゲン撮影で乳房を挟みながら圧迫して上下方向から1枚、左右方向から1枚(合計2枚。・両乳房を撮影する場合は合計4枚)撮影します。
触っても判らない早期の小さな乳がん、しこりを作らない白い影(腫瘤影)、非常に細かい石灰砂の影などを見つけることができます

超音波エコー

超音波エコー乳房に超音波をあてて、乳腺の内部構造を細部まで見ることが出来ます。乳腺濃度が密な若い方も正確に診断が出来ます。身体への侵襲は全くありません。
良性の乳腺症やしこりのようなものから、乳がんまで早期に発見することができます。診察室で検査が行なえ、検査後の制約もありません。

乳がん検査

細胞診

穿刺吸引細胞診穿刺吸引細胞診では、病変部に直接細い針を刺して、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察します。多くの場合は局所麻酔なしに行われ、手で触れたり、超音波で病変を確認しながら針を刺します。検査時間は準備も含めて10分程度です。刺した部分に血腫(けっしゅ)(血の塊(かたまり))ができることがありますが、重大な合併症はほとんど起こりません。患者さんのからだへの負担が少なく、簡便な検査法です。

特徴

  • 針が細いので麻酔は不要
  • 刺した部分に血腫(血の塊)ができることがある
  • 患者さんのからだへの負担が少ない
  • 診断を確定するのが難しいことがある
費用: 3,400円程度 (3割負担の場合)

組織診(針生検)

組織診(生検)針生検では、細胞診よりも太い針を病変部に刺し、その中に組織の一部を入れて、からだの外に取り出します。針が太いので局所麻酔が必要です。超音波検査で採取部位を確認しながら検査が行われます。
針を刺した部分に血腫(血の塊)ができることがありますが、血腫は自然に消えていきます。患者さんのからだへの負担は穿刺吸引細胞診に比較するとやや大きいですが、通常、入院の必要はありません。
癌などの場合は採取した組織検査を用いて必要に応じて免疫組織染色検査を行うこともあります。

特徴

  • 局所麻酔が必要
  • 刺した部分に血腫(血の塊)ができることがある
  • 患者さんのからだへの負担は、穿刺吸引細胞診に比較するとやや多い
  • 入院の必要はない
  • 穿刺吸引細胞診に比べて、より正確な診断が可能
費用: 3,700円程度 (3割負担の場合)
※追加診断料がかかる場合があります

バコラ生検

バイオシステム(バード バコラ バイオプシーシステム VACORA Vacuum Assisted Biopsy System)

バコラ生検は、超音波エコーで乳房内のしこりの位置を確認しながら組織を採取する検査で、局所麻酔をして行われます。
普通の針より太い針で組織を採取しますが、傷跡はほとんど残りません。
病理検査でより正確な診断ができます。

特徴

  • 局所麻酔が必要
  • 刺した部分に血腫(血の塊)ができることがある
  • 患者さんのからだへの負担は、穿刺吸引細胞診に比較するとやや多い
  • 入院の必要はない
  • 穿刺吸引細胞診に比べて、より正確な診断が可能
  • 検体材料が十分に取れるので、より詳細な病理学的検査が可能
費用: 20,400円程度 (3割負担の場合)
※追加診断料がかかる場合があります

CT(X線断層撮影)

CT(X線断層撮影)CTでは輪切りの断面図を撮影できる画像を三次元で見ることができるため、乳がんの正確な位置を調べることができます。
腫瘍の広がり、リンパ節腫大、他臓器の転移の確認、術前薬物療法の効果を確認します。

MRI(磁気共鳴映像法)

MRI(磁気共鳴映像法)MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で磁気共鳴映像法といいます。強力な磁石とラジオ波を用いて体内の状態を検査しています。検査中に大きな音がします。
MRI検査では、任意の断面で画像を表示することが出来ます。CT検査などで用いられる造影剤を使用せずに血管を描出することも可能です。放射線を使用していませんので、被曝の心配はありません。
乳がんの良性・悪性の区別や広がりを調べることができます。

PET-CT

PET-CTPET-CTは、PET(陽電子放射断層撮影装置)とCT(コンピュータ断層撮影装置)が合体した装置です。
一度に全身のがんなどを調べることができる検査方法です。
多くのがん(悪性腫瘍)では、糖分が正常な細胞や良性腫瘍より多く使われます。その性質を利用して、ブドウ糖によく似たFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬を注射し、がんなどの病変に取り込まれたところでPET-CT装置の特殊なカメラで全身を撮影し、がんがどこにあるのか正確な位置情報・全身の転移を確認します。