乳腺専門医コラム

乳がんについて 知っておいてほしいこと

乳がんは増えている

日本では乳がんになる女性が年々増加しており、現在では12人に1人がかかると言われています。
乳がん患者数は30代から増えはじめ、働き盛りの40代後半から60代前半が最も多くなります。

女性乳がんの罹患率グラフ

どのような人が乳がんになりやすい?

どのような人が乳がんになりやすい?

乳がんは、遺伝要因と環境要因(食習慣や生活習慣、生活環境など)が複雑に影響しあいながら発症すると考えられています。
以下のような方は、乳がんのリスクが高くなる可能性があります。

  • 家族に乳がん経験者がいる
  • 初潮年齢が低い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産経験がない、あるいは初産年齢が遅い
  • 授乳経験がない
  • アルコールを飲む機会が多い
  • 喫煙する
  • 閉経後の肥満
  • 身体活動度が低い など

医誠会病院 乳腺・内分泌外科では、母親や姉妹など家族に乳がんになった人がいる方を対象に、乳がん専門医による家族性乳がんのカウンセリングを行っています。

HBOC(家族性乳がん)遺伝カウンセリング外来

どんなとき乳腺・内分泌外科を受診したらいい?

どんなとき乳腺・内分泌外科を受診したらいい?

乳房に以下のような症状を自覚した場合は、乳腺・内分泌外科受診をおすすめします。

  • 乳房のしこり
  • 乳房のえくぼなど皮膚の変化
  • 乳房の形の変化
  • 乳頭分泌物
  • 乳房の痛み
  • 乳房の腫れ
  • わきの下の腫れや痛み

自覚症状のない方は定期的な乳がん検診を

早期の乳がんでは自覚症状はほとんどありません。自覚症状がなくても、ごく早い段階で、乳がん検診によって発見できる場合があります。早期に発見され、他の部位に転移していない場合、90%の方が治ると言われています。厚生労働省では、40歳以上の女性を対象に、2年に1度マンモグラフィによる乳がん検診を推奨しています。

検査はどんなことをするの?

検査はどんなことをするの?

最新のデジタルマンモグラフィと超音波エコー装置を用い、検査結果を迅速にご説明します。CT、MRIなどの画像診断が実施可能で、病理検査にも対応しています。

乳がんかどうかを判断する検査

  • 視触診
  • マンモグラフィ
  • 超音波エコー

乳がんが疑われる場合の精密検査

  • 細胞診
  • 組織診(針生検)
  • CT(X線断層撮影)
  • MRI(磁気共鳴映像法)
  • PET-CT

乳がんの検査・診断 乳がん検査のながれ

大切ないのちと乳房を守るために

大切ないのちと乳房を守るために

乳がんから大切なあなたのいのちを守るために、あなたにできることがあります。
それは、日ごろから自分の乳房の状態に気を配り、セルフチェック(自己触診)をすることと、早期発見のため乳がん検診を定期的に受けることです。
女性はみんな乳がんになるリスクを持っています。乳がんからいのちを守るために、自分でできることからはじめてみましょう。

乳がん・子宮がん検診毎月自己検診を行いましょう


不安に思われている方へ

不安に思われている方へ

もしかしたら乳がんなのだろうか、と不安をかかえて過ごしている方にとって、病院にいくのは怖いことかもしれません。けれど、しこりがあるからといってすべて乳がんと診断されるわけではありません。まずは乳腺の専門医である私たちにご相談ください。

乳腺科紹介患者さんを中心とした医療体制乳腺専門の女性医師がおります乳がんの集学的診療


コーディネートナースが患者さんをサポートします

乳腺・内分泌外科では、治療の専門家である医師の診察とは別に、コーディネートナースが患者さんの身体的・心理的・社会的サポートを行います。治療にあたっていろいろと不安なことがあると思いますが、一人で悩まないで、コーディネートナースにご相談ください。あなたらしい生活を大切にしながら、ともに考え応援します。

外来患者さんと病院の架け橋「コーディネートナース」