乳房にできる主な良性の病気
良性と悪性の違い
良性腫瘍とか、悪性腫瘍などという言葉を耳にする機会があると思いますが、この“良性”と“悪性”の違いは何でしょう?
基本的に、良性腫瘍はその場で増大することはありますが、周囲の血管やリンパ管に拡がることなく、できたところに限局しています。悪性腫瘍は癌や肉腫などに代表されるものですが、血管やリンパ管に乗って全身に拡がります。悪性腫瘍は無秩序に増殖し、全身を蝕むので恐れられているのです。
乳房になにか変わった症状が現れた場合には、自分で判断せずにかならず乳腺専門の医療機関でしっかり検査を行い安心しましょう。
ここでは乳がん以外の乳房に起こりやすい良性の病気について説明します。
乳腺症
女性ホルモンに対する乳腺の過剰な反応が原因で張り感や痛みを感じます。また、腫瘤(しこり)ができたり、乳頭から透明の分泌が出る事もあります。生理前に症状が増強し生理がはじまると痛みがやわらぐのも特徴です。
乳腺症は正常乳腺でも見られる変化のひとつですので、一概に病気とは言えません。ですから、治療も必要ありません。ただし、痛みのひどい場合、(薬ダナゾールというエストロゲンの生成を低下させる薬や漢方薬)で治療することもあります。
線維腺腫
10代~30代に起こりやすい良性の腫瘤(しこり)。若い世代に多いので、ホルモンの過剰分泌が原因とされている。腫瘤(しこり)は丸く大きさは5mmくらいから3cmくらいまでさまざまです。なかには複数個の腫瘤(しこり)ができる人もいます。線維腺腫と診断された場合は乳がんに進展することはほとんどないので特に心配はいりませんが、気になる場合には、マンモトームや外科的生検で摘出することも可能です。
乳線炎
授乳などをきっかけに乳腺に炎症がおきて、痛み、皮膚が赤くなったり、膿がたまったりします。抗生物質を服用し、切って膿をだしたりします。